結論:文字起こしの出力を、そのまま決定事項にしない

2本の自作音声を文字にすると、「木曜日」が「目標美」、「初稿」が「追行」と出力されました。短い音声でも、議事録の日時や作業内容が変わる誤認識は起こり得ます。

文字起こしは下書きで、議事録の決定事項を確定する処理ではありません。無料の音声文字起こしツールで材料を作り、原音と照合した後に「決まったこと・担当・期限」を整理する、という役割分担ができます。

音声文字起こし短い録音で出力を読み直す登録なしで使えます開く

自作音声2本で出た3つの誤認識を並べた図

作り方:音声・文字・議事録の欄を順番に分ける

現行ツールは1ファイル100MB・30分までで、両方の上限があります。WAVなどブラウザで再生できる音声を選ぶと処理が始まり、文字を編集・コピー・TXT保存できます。話者の分離や翻訳、議事録への自動要約は行いません。

2026年9月30日、WindowsのMicrosoft Haruka Desktopで、架空の会議文からn=2本の合成音声を作りました。約9.32秒と9.39秒のWAVです。人物の会話録音ではありません。

サイトに同梱された実際の文字起こしworkerへ、日本語・16kHzの音声として渡しました。Chromium 153、量子化Whisper baseを使用し、モデルも端末内のファイルから読み込みました。外部送信は遮断しています。

音声合成に与えた文の一部 実際の文字起こし出力 議事録で変わる情報
来週の木曜日 来週の目標美 曜日
資料の初稿 資料の追行 作るもの
金曜日の正午まで 金曜日の商業まで 締切時刻

一方、「担当は山田」「予算は三万五千円」は、出力で「担当は山田」「予算は35000円」となりました。数字の表記変更と、意味を変える誤認識は区別しています。この2本から、一般の会議の正答率は算出していません。

議事録へ移す前の確認欄は、文字起こしと分けて持てます。次は今回の架空文を整理するための例で、ツールの自動出力ではありません。

欄 合成元の文にある内容 確認のポイント
作業 資料の初稿を作る 「追行」のまま採用しない
担当 佐藤さん 声から話者を推定した名前ではない
期限 金曜日の正午まで 曜日と時刻を別々に照合

原音で確かめられない部分は、未確認のまま区別する余地があります。前後の文からもっともらしい語を補うことと、発言を確認することは別です。

録音、文字起こし、確認後の議事録を3段階で示す図

一次資料:モデルの出力には限界が明示されている

Whisper baseのモデルカードは、実際には話されていない文字を含む可能性を説明しています。次はその一部分です。

「may include texts that are not actually spoken」

— OpenAI / Hugging Face、Whisper base モデルカード、Performance and Limitations https://huggingface.co/openai/whisper-base(2026-09-30 到達)

日本語では「実際には話されていないテキストを含む可能性がある」という意味です。読みやすい出力でも、原音にあるとは限りません。

「perform unevenly across languages」

— OpenAI / Hugging Face、Whisper base モデルカード、Performance and Limitations https://huggingface.co/openai/whisper-base(2026-09-30 到達)

これは言語によって性能が一様でないという説明です。別言語や別条件の評価値を、そのまま今回の会議音声へ当てはめられません。

「prone to generating repetitive texts」

— OpenAI / Hugging Face、Whisper base モデルカード、Performance and Limitations https://huggingface.co/openai/whisper-base(2026-09-30 到達)

繰り返しの文字を生成しやすい性質についての説明です。同じ文が続く場合も、実際の発言の繰り返しかは別に確認する対象です。これらはモデルの説明で、今回の2本で全現象を観測したという意味ではありません。

混同しやすい点:文字起こしと議事録の完成を分ける

日時・金額・固有名詞・否定の有無は、意味を左右する確認箇所です。

思い込み 分けて扱うこと
30分以内ならどんなファイルでも使える 容量上限100MBと再生可能な形式もある
文中に名前が出たので話者が分かった このツールは話者を分離しない
無料の文字起こしで議事録も完成する 出力の照合と決定事項の整理は別
数字が半角になったので誤り 同じ値の表記変更か、値の誤認識かを区別
短い音声なら間違わない 今回の約9秒の2本にも差があった

測っていないこと・ここから先は推論

人が話す実際の会議、複数人の重なり、雑音、30分の長さ、上限容量は未測定です。今回は同じ合成音声の声を使った2本だけです。

認識結果は取得しましたが、一般的な認識率・端末別の処理速度・議事録の完成時間を測った試験ではありません。初回モデル読込みの通信条件も、通常利用の速度として評価していません。

次の1手:短い録音を文字にし、意味のある欄から照合する

短い音声の下書きを作る入口は音声文字起こしです。出力後の日時・担当・金額の確認と、議事録の整理を分けて進められます。

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