結論:濃く見える黒でも、元の明暗差が残る場合がある
3条件で黒を重ねた自作画像では、不透明度90%の範囲に明暗差が残り、100%の黒塗りでは全40,000画素が同じ黒になりました。見た目の暗さだけでは、下の文字が消えたとは判断できません。
半透明は元の色と混ぜる処理、不透明の塗りつぶしは指定範囲の色を置き換える処理です。今回は架空の「TEST 1234」という文字だけを使い、保存PNGの画素まで比較しました。
画像黒塗り濃い黒と不透明な塗りつぶしの差を見る登録なしで使えます開く
比べ方:保存後の黒い範囲に明暗差が残るか測る
白い480×160pxの自作画像に、架空の文字を黒で描画しました。文字を含む400×100pxの長方形へ黒を重ね、不透明度50%・90%・100%のn=3条件でPNG保存しました。
2026年9月30日、Windows・Chromium 153で検証しています。100%だけは既存の画像黒塗り処理を実行し、50%・90%は差を確かめるための自作比較処理です。現行ツールに半透明を選ぶ機能があるという説明ではありません。
| 条件 | 保存後の範囲内の赤成分・最小〜最大 | 明暗差 |
|---|---|---|
| 自作比較・50%の黒 | 0〜127 | 残った |
| 自作比較・90%の黒 | 0〜25 | 残った |
| 既存ツール・100%の黒 | 0〜0 | 今回の範囲内には残らなかった |
赤成分は0〜255の値です。元画像が白黒なので、この比較では赤成分を明るさの指標にしています。保存したPNGを読み直し、各40,000画素を検査しました。保存前のプレビューだけを測ったものではありません。
さらに比較画像の色の値を10倍にして表示すると、90%では「TEST 1234」が読める状態になり、100%の黒い範囲は黒のままでした。自作図の残った差を見やすくした比較で、失われた個人情報を復元したものではありません。
3条件とも出力PNGの画素自体は不透明でした。それでも半透明の黒を重ねた2条件には元の明暗差が混ざって残っています。「保存画像の透明度がない」と「隠した文字が残らない」も別の話です。
一次資料:透明度は、描き重ねる前に適用される
ブラウザの描画を定めるHTML Standardは、図形や画像に透明度を適用してから合成すると説明しています。今回使ったCanvasのglobalAlphaの範囲は次のとおりです。
「0.0 (fully transparent)」
— WHATWG、HTML Standard、4.12.5.1.17 Compositing、global alpha https://html.spec.whatwg.org/multipage/canvas.html#compositing(2026-09-30 到達)
0は完全に透明という意味です。黒という色を選ぶことだけでは、不透明な黒で描く条件を指定したことになりません。
「1.0 (no additional transparency)」
— WHATWG、HTML Standard、global alphaの上限の説明 https://html.spec.whatwg.org/multipage/canvas.html#compositing(2026-09-30 到達)
1は追加の透明化をしないという意味です。描く色自身にも透明度があり得るため、値1だけで全処理の安全性を一般化していません。今回の既存処理は、不透明な黒色とglobalAlpha=1で長方形を塗っています。
「It must initially have the value 1.0.」
— WHATWG、HTML Standard、global alphaの初期値 https://html.spec.whatwg.org/multipage/canvas.html#compositing(2026-09-30 到達)
初期値は1です。ただし描画中に変えられるので、初期値を知ることと、保存結果を検査することは別です。今回の黒塗り処理は値1を明示し、結果もPNGから読み直しました。
混同しやすい点:指定範囲の画素と、文書全体を分ける
黒塗りした範囲が不透明でも、隠す範囲が足りなければ別の情報が残ります。
| 思い込み | 別に残る確認点 |
|---|---|
| かなり暗く見えれば読めない | 画素に明暗差が残っているか |
| PNGで保存すれば半透明の影響が消える | 描き重ねた時点で混ざった色は残り得る |
| 不透明なら円形でも四隅が隠れる | 円の外側は塗りつぶされない |
| 画像の黒塗りとPDF上の四角は同じ | 画素、文字、重ねた図形などの構造が違う |
| 加工後を保存すれば元画像も消える | 元ファイルや別のコピーは別に存在し得る |
今回の結果は、長方形の内側を確認したものです。紙のマーカー、スクリーンショット編集、PDFの文字層やOfficeの図形を使った操作へ、そのまま当てはめていません。
測っていないこと・ここから先は推論
実在の個人番号、カード、顧客情報、他人の黒塗り画像は使用していません。隠された個人情報を復元する試験や手順ではありません。
JPEG保存、円の境界、塗り残し、メタデータ、元ファイル、印刷物は未検証です。n=3は同じ自作画像の描画条件で、どんな文書でも完全に情報を除去できる保証ではありません。
次の1手:塗る範囲と、保存した画像を対応させる
指定範囲を不透明に塗りつぶす入口は画像黒塗りです。四角・円と塗る色を選べます。隠す範囲や文書の用途は自動で判断しません。