預金利息は「残高×年利率」だけでは、通帳に載る受取額まで決まりません。対象日数、毎日の残高、利息をまとめる期間、税の端数処理が関わります。表示された年利率と、実際に差し引かれる税額を分けると、手元の計算と明細の差を追いやすくなります。

日数計算期間の日数を確かめる関連作例。預金商品の計算期間は別に確認登録なしで使えます開く

預金利息と借入返済の計算は別のもの

預金はお金を預けて受け取る利息、借入は返済に伴って支払う利息です。同じ年利率という名前でも、残高の動きや支払いの区切りが違います。

やっとくんの利息・ローン計算は、元利均等・元金均等の返済予定を比べる道具です。預金利息の源泉徴収や、普通預金の日々の残高を集計する機能はありません。本記事の預金計算は、銀行が公表する方法をもとに別途行った検算であり、そのツールで税引後預金利息が出たという実測ではありません。

固定の残高と金利で、1年を365日とする単利の日割りなら、税引前の基本形は「残高×年利率×日数÷365」となります。年利0.2%は計算では0.002であり、30日預けた額を1年分の利息として扱いません。商品によって複利、付利単位、支払時期などの条件は異なります。

税率の合計と税額の丸め方を分ける

国内の個人の一般的な預貯金利息を扱う説明として、国税庁は原則の課税方法に一次資料の節に引用した名称を使っています。

税率を足すと20.315%だが、合計税率を一度掛けて切り捨てる計算と、2種類の税を別々に切り捨てる計算は一致するとは限りません。非課税制度の利用や法人の利息、公社債の種類別の扱いまで、この個人預金の例へまとめて当てはめることはできません。

日割りした利息をいつ切り捨てるか

SBI新生銀行の円普通預金の公開FAQは、日々の最終残高で日割りし、月内で合算する順序を示しています。

つまり、1日分が1円未満でも、その日の値を先に0円として足す計算にはなりません。税引前の月合計を作る段階と、そこから税を差し引く段階があります。この順序は同銀行の当該FAQに基づくもので、すべての定期預金や他行商品を同じ月次処理だと説明するものではありません。

日々の利息、月内合算、税額計算、受取額の4段階を分けた自作図

架空の残高3条件で端数処理を比べた

2026-10-01、架空の30日分の残高履歴をn=3条件で計算しました。年利率は説明用に0.2%へ固定し、現在の商品金利や推奨金利とはしていません。Aは毎日10万円、Bは毎日100万円、Cは前半15日が10万円・後半15日が20万円としました。

JavaScriptでは整数と40桁の倍率を使い、PythonではDecimalで各日の値を小数点以下40桁にそろえて別計算しました。月内合算後の円未満切捨て、国税分、地方税分、差引額を照合し、全3条件が一致しました。

条件 税引前の月合計 国税分 地方税分 差引額 毎日円未満を切り捨てた場合の誤った税引前合計
A:毎日10万円 16円 2円 0円 14円 0円
B:毎日100万円 164円 25円 8円 131円 150円
C:途中で残高変更 24円 3円 1円 20円 15円

税の計算についても、同FAQは国税分を一次資料の節に引用した式で示し、端数切捨てと説明しています。地方税分は税引前利息に5%を掛け、同様に切り捨てます。

Aでは国税分16×15.315%=2.4504円から2円、地方税分16×5%=0.8円から0円となり、差引14円。20.315%をまとめて掛けて切り捨てると税3円・差引13円となり、別計算と1円違いました。BとCの差引額は、この2つの方法で同じでした。常に違うという結果でもありません。

3つの残高履歴の差引額と、Aだけ生じた税の丸め方の差を示した自作図

一次資料

本文で参照した一次資料の引用と出典をまとめます。

「源泉分離課税」

出典:国税庁 No.1310 利息を受け取ったとき(2026-10-01到達、令和8年4月1日現在法令等)。本記事の2026年の例では、所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%を分ける。

「1ヵ月分合計」

出典:SBI新生銀行・円普通預金の利息計算方法(2026-10-01到達)。同FAQには1日ごとの算出額を小数点以下40桁まで認識し、合算した後に端数を切り捨てる説明がある。

「税引前利息×15.315%」

出典:SBI新生銀行・税金の内訳および計算方法(2026-10-01到達)。

測っていないこと・ここから先は推論

実際の口座明細、入金、各行の商品全般、非課税の適用は測っていません。3条件は公表式を限定条件で再計算したもので、銀行システムへ入力した結果ではありません。利率の途中変更、複利、外貨、預入・解約日の算入、支払時期もこの作例からは確定できません。

公表FAQには、税引前利息と国税・地方税が明細で別項目として表示される説明もあります。受取額だけでなく、その前の合計と控除の内訳が、差を確認する材料になります。利回りのよさや預け先の推奨、個別の税務判断は扱いません。

次の1手

日数、残高の変化、合算する期間、税の丸め方を順に分けます。日数ツールで確かめられるのは指定した日付の間隔であり、預金商品の起算日や受取額まで決まるものではありません。

日数計算日付の間隔と預金商品の利息計算条件を分ける登録なしで使えます開く