結論:最初の返済額と、払い終えるまでの総額は別
同じ借入額・固定した年利率・返済回数の比較では、初回の負担と総返済額の大小が逆になる例があります。今回の架空300万円・60か月・年3%では、初回は元金均等の方が3,594円多く、総返済額は元利均等の方が5,617円多くなりました。
借入返済シミュレーション初回返済額と総利息を同じ条件で比較登録なしで使えます開く
総利息の少なさだけでは、毎月の支払いを続けられるかは決まりません。ここでは方式による計算上の違いを測ります。どちらを選ぶべきか、審査が通るかという個別判断は扱いません。
見分け方:「均等」にする部分が違う
元利均等は元金と利息の合計、元金均等は元金部分をそろえる考え方です。年利率を変えずに月ごとに返す、今回の計算条件では次の違いがあります。
| 見る点 | 元利均等 | 元金均等 |
|---|---|---|
| 毎月そろえる部分 | 元金と利息の合計 | 元金 |
| 元金の減り方 | 初めは少なく、後半ほど増える | 毎月同じ額ずつ減る |
| 利息部分 | 残高に応じて変わる | 残高に応じて減る |
| 今回のツールの最終回 | 残った元金を返して調整 | 残った元金を返して調整 |
同じ総額を60で割った平均と、初回に必要な金額も別です。元金均等では初回が大きく、後の返済額が小さくなるため、平均額だけでは推移を表せません。
一次資料:固定した金利の説明と、変動時の契約を分ける
住宅金融支援機構は、金利が返済期間中同じ場合の図で、二方式の特徴を説明しています。
「毎月の返済額が一定になります。」
— 住宅金融支援機構「災害復興住宅融資のご案内」2026年4月作成、10頁、元利均等の説明 https://www.jhf.go.jp/files/topics/6257_ext_99_0.pdf(2026-10-01 到達)
「毎月の返済額が減少していきます。」
— 同資料10頁、元金均等の説明 https://www.jhf.go.jp/files/topics/6257_ext_99_0.pdf(2026-10-01 到達)
引用は方式の特徴に限っています。今回の300万円・年1/3/5%は比較用の仮定で、同機構の融資条件や適用金利ではありません。
三井住友銀行の変動金利の説明では、元利均等について返済額を見直す条件や上限を示す一方、金利の急上昇時に次の可能性も説明しています。
「新利率による利息が毎月の返済額を上回る場合があります。」
— 三井住友銀行「変動金利が上昇しましたが、返済額に影響はありますか?」 https://qa.smbc.co.jp/faq/show/10674?site_domain=default(2026-10-01 到達)
同銀行の説明にある5年間一定・125%の仕組みは、返済額の見直しに関するものです。利息の増加がなくなる仕組みではなく、未払分が生じる説明もあります。別商品に共通する契約条件とは扱わず、今回の固定年率の測定には含めません。
実測:300万円・60か月の三つの年利率を比較
n=3条件(年1%、3%、5%)×2方式を2026年10月1日に現行の借入返済シミュレーションで測りました。年利率÷12の月利を使い、円未満は毎回四捨五入、最終回で残高を調整する計算です。ボーナス返済や手数料は含めていません。
| 仮定年利率 | 初回:元利均等 | 初回:元金均等 | 総額:元利均等 | 総額:元金均等 | 総額差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1% | 51,281円 | 52,500円 | 3,076,876円 | 3,076,250円 | 626円 |
| 3% | 53,906円 | 57,500円 | 3,234,367円 | 3,228,750円 | 5,617円 |
| 5% | 56,614円 | 62,500円 | 3,396,822円 | 3,381,250円 | 15,572円 |
総額差は元利均等から元金均等を引いた値です。同じ300万円を返すので、この比較では総額差と総利息の差が一致します。年3%の総利息は234,367円と228,750円でした。
6本の予定表について、全360回の元金・利息・残高と出力CSVを、分数を使うPython計算で照合しました。全件一致し、どの表も元金合計300万円、最終残高0円でした。
年3%の元利均等は1〜59回が53,906円、最終回は53,913円です。今回の端数調整では、元利均等でも最後だけ7円変わりました。元金均等は57,500円から50,125円へ減ります。銀行の実際の返済予定表との一致を確認したものではありません。
測っていないこと・ここから先は推論
実際の借入契約、審査、銀行手数料・保証料、日割り利息、繰上返済は測っていません。借入可能額や、支払いを続けられる家計・資金繰りの余裕も判定していません。
変動金利の変更時期、5年・125%ルール、未払利息、ボーナス払いは今回の計算外です。三つの金利を固定して比べることと、返済途中で金利が上がる試算は別です。
次の1手:初回・総利息・各回の残高を並べる
同じ入力条件で二方式を比べる入口は借入返済シミュレーションです。初回返済額、総利息、予定表の推移を分けて見られます。実際の返済額は、利用する契約の計算条件が別に必要になります。