結論
PDFの作成日や更新日は、本文とは別の情報として記録されている場合があります。 ただし、表示された日時1つから、仕事を始めた日、承認された日、提出した日まで確定できるわけではありません。PDF内部の情報と、パソコンがファイルを保存した日時も別です。
PDF作成者情報削除PDFに付く情報の種類と処理範囲を知る登録なしで使えます開く
Adobeのメタデータの説明には、標準的なフィールドの例として次の記載があります。
「いつの何を表す日時か」を、記録場所と一緒に読むことが要点です。ここでは自作PDFの値を比較し、日時の書き換え手順は扱いません。
文書の作成・更新・メタデータの更新は別の項目
PDFには文書情報の日時のほか、XMPという追加情報に日時が入る場合があります。 AdobeのXMP仕様は、CreateDateを一次資料の節に引用したとおり説明しています。
同じ説明は、デジタルファイルの作成日時がファイルシステム上の作成日時と一致するとは限らず、転送やコピー等で異なり得ることも示しています。保存先での日時と、文書が持つ日時を同じものとは扱えません。
また、MetadataDateの説明は次のとおりです。
こちらはメタデータの最終変更日時です。本文の作成日を表す項目と区別されます。同じ「更新」に見える表示でも、どの項目を参照したかで意味が違います。
同じ本文の自作PDF3件で記録を比較した
日時だけを変えた自作PDFを3条件用意し、別の読取処理で照合しました(n=3)。 全件が同じ英字本文の1ページです。2026-10-01に生成・検証した試験用ファイルで、9月の日付は実在書類の履歴ではなく、比較のために置いた値です。
表の日時は2026年の日本時間で、日付のある項目はすべて午前9時です。
| 自作条件 | 文書情報の作成/更新 | XMPの作成/更新 | XMPのメタデータ更新 |
|---|---|---|---|
| A:対応する日時を一致させた | 9月1日/9月2日 | 9月1日/9月2日 | 9月3日 |
| B:記録場所で異なる日時 | 9月1日/9月2日 | 9月4日/9月5日 | 9月6日 |
| C:これらの日時なし | なし/なし | XMP自体なし | なし |
文書情報の日時はPDFの別読取処理、XMPは格納されたXMLの解析で照合しました。 Aの文書情報はUTC表記、XMPは日本時間の表記でしたが、時差を含めて解釈すると同じ時刻です。文字列の見た目だけを比べて不一致とはしていません。
一方、Bは時差をそろえても別の日時です。Cには該当項目がありませんでした。全3件のページを描画すると画素が一致し、本文の見た目だけでは、裏側の日時の違いを区別できませんでした。
Windows上に保存した3ファイルの作成・更新日時は、いずれも検証した10月1日の午前2時13分台でした。これは今回の保存結果であり、コピーやダウンロードの全方式で同じ挙動になると測ったものではありません。
現行ツールの表示値にも確認が必要だった
当サイトの現行処理では、元の更新日時をそのまま確認する用途に使えない条件が見つかりました。 自作3件をプロパティ削除の処理へ入力し、画面表示用に返された「消去前」の日時を、元ファイルの値と比較しています。
| 条件 | 元ファイルの文書情報 | 現行処理が返した日時 |
|---|---|---|
| A・B | 更新は9月2日午前9時 | 更新は読取時の10月1日午前2時13分台 |
| C | 作成・更新とも項目なし | 作成・更新とも読取時の日時 |
読み込む際に内部で補われる日時が、表示用の結果に含まれた状態です。A・Bの作成日は元の9月1日のままでしたが、更新日は置き換わりました。元のPDFファイルそのものを書き換えたという意味ではありません。
このため、当サイトのこの表示だけを「元のPDFに記録されていた日時」の根拠にはできません。今回この機能は修正しておらず、未解決の確認事項として記録しています。
一次資料
本文で参照した一次資料の引用と出典をまとめます。
「作成日と更新日」
— Adobe「文書のプロパティとメタデータの概要」、メタデータ https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/desktop/edit-documents/edit-pdf-properties/pdf-properties.html(2026-10-01 到達)
“The date and time the resource was created.”
— Adobe「Adobe XMP Basic namespace」、xmp:CreateDate https://developer.adobe.com/xmp/docs/xmp-namespaces/xmp/(2026-10-01 到達)
“The date and time that any metadata for this resource was last changed.”
— Adobe「Adobe XMP Basic namespace」、xmp:MetadataDate https://developer.adobe.com/xmp/docs/xmp-namespaces/xmp/(2026-10-01 到達)
測っていないこと・ここから先は推論
実書類の真正性、電子署名やタイムスタンプ、提出先の受付記録は検証していません。 Acrobatの画面操作、すべてのPDF作成ソフト、共有サービスの履歴も未測定です。日時の有無や不一致から、特定の人の行動や改ざんの有無を判定していません。
次の1手
日時の項目名、記録場所、時差をそろえて読むことが入口です。本文、文書情報、XMP、保存先の情報にはそれぞれ役割があり、現行ツールの表示上の課題も含め、1つの数値で履歴全体を説明することはできません。