結論
PDFのページを結合できても、内部に入った別のファイルまで残るとは限りません。 自作の添付付きPDFを現行の結合処理へ渡すと、本文ページは出力されましたが、内部の添付ファイルは出力の一覧に残りませんでした。
PDF結合ページ数と内部添付を別々に確認する登録なしで使えます開く
「できない」というエラーと、「出力はできたが必要な内容が足りない」は別の状態です。 この記事は後者を、本文のページとPDF内部の添付に分けて確認するための実測です。
複数のページと複数のファイルは別
PDFポートフォリオは、ページを順につないだ通常のPDFとは構成が違います。 Adobeの説明には、次の一節があります。
同資料では、異なる形式のファイルを一つの構成物にまとめられることを説明しています。内部の別ファイルを開くことと、外側のPDFのページを読むことは同一ではありません。
通常のPDFにも、別のファイルを添付できる場合があります。メールに添付されたPDFと、そのPDFの内部に添付されたファイルも区別できます。外側のPDFを開けたことだけでは、内側に何があるかまで分かりません。
ページをコピーする処理の範囲
現行のPDF結合処理は、選んだページを新しいPDFへコピーします。 使用しているPDF-LIBのcopyPagesの説明は、次のとおりです。
一方、同じ資料のattachには、別の操作として次の説明があります。
ページをコピーする操作と、ファイルを内部へ添付する操作が別にあることが分かります。ただし、この説明だけから、あらゆる結合ソフトの保持範囲を決めることはできません。以下では、やっとくんの現行処理へ実際に入力した結果を示します。
自作3種類を結合すると添付は残らなかった
2026-10-01、n=3の自作PDFへ、別に用意した表紙1ページを足しました。 元の本文はいずれも同じ1ページです。暗号化や電子署名は付けていません。
| 自作した入力 | 本文のページ数 | 入力の内部添付 | 結合後のページ数 | 出力の内部添付 |
|---|---|---|---|---|
| 通常のPDF | 1 | 0件 | 2 | 0件 |
| テキスト1件を添付 | 1 | 1件 | 2 | 0件 |
| テキストとPDFを添付しCollectionを指定 | 1 | 2件 | 2 | 0件 |
3行目は、ポートフォリオに関係するCollectionという指定を置いた検証用の最小構成です。Acrobatで作った実物のポートフォリオや、画面の互換性を試した例ではありません。内部のPDFは2ページの自作別紙で、その2ページを外側のページ数には加えていません。
PDF.jsとpypdfで添付の名前と数を別々に読み、PyMuPDFでも件数を確認しました。入力の添付は作成した元のファイルと全バイトが一致していました。出力3件はすべて表紙+本文の2ページで、添付の一覧は0件でした。
入力3ページと出力6ページを描画して確認すると、本文の同じページ同士の画素も一致しました。しかし、添付した別紙2ページの内容は出力本文に含まれていません。本文の見た目とページ数が合っていても、内部添付の保持までは確認したことになりませんでした。
一次資料
本文で参照した一次資料の引用と出典をまとめます。
元のファイルは、個別のファイルとして保持されます
— Adobe「PDFポートフォリオの概要」、PDFポートフォリオについて https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/using/overview-pdf-portfolios.html(2026-10-01 到達)
“Copy pages from a source document into this document.”
— PDF-LIB「PDFDocument」、copyPages https://pdf-lib.js.org/docs/api/classes/pdfdocument(2026-10-01 到達)
“Add an attachment to this document.”
— 同資料、attach https://pdf-lib.js.org/docs/api/classes/pdfdocument(2026-10-01 到達)
測っていないこと・ここから先は推論
Acrobatや他社の結合ソフト、実物のPDFポートフォリオ、署名付き・暗号化PDFは測っていません。 しおり、フォーム、動画、外部リンクの保持も今回の比較対象外です。3件の結果を一般のPDF全体の成功率へ広げていません。
現行ツールへ添付保持の機能を追加した試験でもありません。内部ファイルの一覧が空であることを、機密情報を完全に消去する方法の検証として扱うこともできません。
次の1手
結合する前後で、必要な本文と内部の別ファイルをそれぞれ照合すると、ページ数だけでは見落とす不足を確認できます。別紙も本文として必要なのか、元の形式のまま必要なのかを分けると、提出先へ渡す内容を整理できます。