結論:位置情報を消しても、写真の中身は残る
3枚の自作JPEGを処理すると、GPS情報を付けた1枚も処理後はExifなしになりましたが、画像に描いた文字は残りました。写真から場所が分かる心配には、メタデータと写っている内容の両方があります。
Exifの位置情報を削除する処理は、写真の看板や住所表示を消す処理ではありません。この記事では、ファイルに付く情報と、目で読める画像の情報を分けて確かめます。
画像の位置情報削除GPSの有無と画像の中身を別に確認登録なしで使えます開く
比べ方:同じ絵に、異なるメタデータを付ける
自作した360×240pxの図に、Exifの条件だけを変えたJPEGを用意しました。赤・青の四角と「TEST SHOP」の文字で、実在の店や人物の写真ではありません。
2026年9月30日、Chromium 153で既存の位置情報削除処理を動かしたn=3ファイルです。GPSの試験値は緯度0度・経度0度で、実在の住所や撮影者を示していません。
| 自作入力の条件 | 処理前のExif | 処理前のGPS | 処理後のExif・GPS |
|---|---|---|---|
| Exifなし | なし | なし | どちらもなし |
| Exifあり・GPSなし | あり | なし | どちらもなし |
| Exifあり・GPSあり | あり | あり | どちらもなし |
ツールの表示とは別に、保存JPEG内のExif領域も確認しました。処理前は0・1・1個、処理後は3枚とも0個でした。出力寸法はすべて360×240pxです。
描いた文字や四角は、処理後にも見えました。Exifを取り除くために画像を描き直してJPEG保存する処理なので、画像内の文字を自動認識して塗り消すものではありません。再圧縮されるため、元ファイルと全画素が完全一致するという意味でもありません。
このツールが検出しているのは、JPEGのExifとGPS情報の有無です。地図の住所、撮影者の身元、写り込みからの場所の推定結果を返す機能はありません。
一次資料:共有される位置情報と、その収集を分ける
Appleの安全ガイドは、位置情報の座標が画像へ埋め込まれる仕組みを説明しています。
「これらの座標はそれぞれの写真やビデオに埋め込まれ」
— Apple、「写真」で位置情報メタデータを管理する、冒頭の説明 https://support.apple.com/ja-jp/guide/personal-safety/ips0d7a5df82/web(2026-09-30 到達)
これは位置情報サービスをオンにしたカメラの説明です。すべての写真に必ずGPSがあるという説明ではありません。
「撮影された場所を知ることができる場合があります。」
— Apple、位置情報メタデータを含む写真やビデオを共有した場合の説明 https://support.apple.com/ja-jp/guide/personal-safety/ips0d7a5df82/web(2026-09-30 到達)
共有相手がメタデータへアクセスできる場合がある、という文脈です。あるサービスが毎回GPSを残す・消すという実測結果ではありません。
「今あるメタデータを削除した上で、今後の収集を停止することができます。」
— Apple、既存の情報と今後の収集を分けた説明 https://support.apple.com/ja-jp/guide/personal-safety/ips0d7a5df82/web(2026-09-30 到達)
同資料には共有時に位置情報を含めない設定もあります。既存ファイルの情報、次の撮影の設定、今回の共有設定は異なる対象です。この記事のブラウザツールは、端末のカメラ設定を変更しません。
混同しやすい点:GPSなしと、場所を推測できないは別
ファイルの検査結果が答える範囲を超えて、安全性を断定しないことが要点です。
| 思い込み | 残る確認対象 |
|---|---|
| GPSなしなら場所に関する情報もない | 看板・住所・景観など画像内の内容 |
| カメラの位置情報を止めれば古い写真も変わる | すでに保存したファイルの情報 |
| 1枚削除すれば元画像も共有済み画像も消える | 元ファイルと別のコピー |
| JPEG用の結果をHEIC・動画にも当てはめる | 形式ごとの情報と処理対象 |
| GPSの有無から現在地が分かる | 情報が示す位置と現在地は別 |
この3枚から、特定サービスで送った写真の位置情報がどうなるかは判断できません。LINEやSNSへの送信試験も行っていません。
測っていないこと・ここから先は推論
実人物の居場所の特定、実在の家や店の写真、端末の撮影設定は測っていません。実物の個人情報を復元する試験ではありません。
iPhone・Android各機種、SNSの送信後、HEIC、動画、特殊なメタデータ構造は対象外です。n=3は手作りのJPEG条件だけで、あらゆる情報漏えいを防ぐ保証ではありません。
次の1手:JPEGの情報の有無と、見える内容を分ける
JPEGのExifを確認して削除する入口は写真の位置情報削除です。処理後の情報表示と、画像に残る文字・写り込みは別々に見られます。