結論

資金繰り表は、売上や利益の発生ではなく、いつお金が入り、いつ出るかを並べる表です。月初の残高へ当月の入出金差額を足すと、翌月へ持ち越す金額が見えます。

資金繰り表入出金月と繰越のつながりを見る登録なしで使えます開く

中小機構のJ-Net21は、資金繰り表を一次資料の節の引用のように説明しています。

利益が出た月と、代金が入る月は一致するとは限りません。 ここでは当サイトの旧版の架空見本のうち3か月分を検算し、残高が次の月へつながる仕組みを扱います。実際の融資や返済計画を提案する記事ではありません。

売上の月と入金の月を分ける説明図

作成時点と入出金予定をそろえる

最初に固定するのは、表の作成時点と対象期間です。 すでに入出金した実績と、これから動く予定が混在すると、同じ月の数字でも意味が変わります。

整理する材料 表へつながる内容
対象範囲の現金・預金残高 最初の月の繰越額
売掛金の回収予定や現金売上 実際に入る月の入金額
請求書、給与等の支払予定 実際に出る月の支出額
返済予定表など 借入金の返済時点と金額

J-Net21の別の案内も、表にまとめる対象を一次資料の節の引用のように説明しています。

たとえば4月の売上代金が5月に入るなら、4月の売上と5月の入金を二重に収入へ足さないことが要点です。自社口座間の移動も、両口座をまとめて見る表では、会社全体の資金が新しく増えたことにはなりません。

旧版3か月を別計算で検算

4〜6月の3行(n=3)について、入力値から収支と繰越を独立に計算しました。 2026-09-30に確認した旧版資金繰り表の単一ソースが対象です。金額はすべて架空の見本で、単位は円です。

項目 4月 5月 6月
前月繰越 2,450,000 2,680,000 2,610,000
売上入金+その他収入 3,850,000 3,420,000 4,180,000
仕入・人件費・経費・返済の計 3,620,000 3,490,000 4,360,000
当月収支 230,000 -70,000 -180,000
翌月繰越 2,680,000 2,610,000 2,430,000

計算は「収入計-支出計=当月収支」「前月繰越+当月収支=翌月繰越」です。3行とも見本の収支・繰越と一致し、月の間の繰越2か所も一致しました。6月の収入計にはその他収入200,000円を含めています。

5月と6月は当月収支がマイナスでも、繰越残高はプラスです。当月の増減と、月末に残る金額は別の数字だからです。この3か月の収支合計は-20,000円で、最初の2,450,000円から最後の2,430,000円への差とも一致します。

旧版3か月の収支と繰越残高の計算結果

自動計算と予測の正しさは別

旧版の当月収支・翌月繰越は、横方向の自動計算式ではなく記入値でした。現行Excel(エクセル)には小計・差引・繰越の式が入っています。今回動かしたのは検算用の計算であり、見本への入力変更が自動連動することを実証したものではありません。

また、表の借入返済を含む収支を、損益計算書の利益と読み替えることはできません。金額の足し引きが合っても、入金予定の実現まで保証されるわけではありません。

日本政策金融公庫の資金繰り表記入例は、数字だけでなく一次資料の節に引用した記載も案内しています。

何月にいくら入る想定なのかを、請求・回収条件と結び付ける部分です。旧版の作成日は8月28日で、4〜9月の例が並びますが、各行に実績・予定の明示はありません。現行版は事業年度と会社名を持ち、4月から翌3月までを列にしています。本記事の4〜6月表を、作成時点から先の3か月予測とは呼んでいません。

現行版は千円単位で月を列にする

現行版では、支出計と借入返済を別に読んで繰越を求めます。 2026年10月4日、単一ソースの4〜6月を配布Excelの月列・式の有無と照合し、入力値から別計算しました(n=3か月)。単位は千円です。

項目 4月 5月 6月
前月繰越 (A) 2,450 2,680 2,610
収入計 (B) 3,850 3,420 4,180
支出計 (C) 3,440 3,310 4,180
差引過不足 (D) 410 110 0
財務収支計 (E) -180 -180 -180
翌月繰越 (F) 2,680 2,610 2,430

翌月繰越はA+D+Eで、旧版の残高を千円に換算した値と3か月とも一致しました。 旧版の「当月収支」と現行の「差引過不足 (D)」は、借入返済を含むかが違うため同じ項目として扱いません。現行の配布形式はExcelとGoogleスプレッドシートです。この照合は数式の存在と別計算の確認で、入力変更後のExcel再計算を実証したものではありません。

一次資料

本文で参照した一次資料の引用と出典をまとめます。

「現金収支をまとめた表」

— 中小機構J-Net21「資金繰り表って何ですか?」 https://j-net21.smrj.go.jp/solution/qa/financeqa/Q0225.html(2026-09-30 到達)

「入金予定や支払予定」

— 中小機構J-Net21「資金繰り改善のための資金調達手段」 https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/finance/financing.html(2026-09-30 到達)

「算出根拠」

— 日本政策金融公庫「資金繰り表(記入例)」手順⑦ https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/sikinguri_rei.pdf(2026-09-30 到達)

測っていないこと・ここから先は推論

実際の口座残高、売掛金の回収確率、月中の資金不足は測っていません。 検算は見本の月次入力値だけが対象です。月末残高が正でも月中に不足する可能性は、この表だけでは確認できません。融資の可否や個別の返済可能額も判定していません。

次の1手

売上月と入金月、月の収支と繰越残高を分けることが、資金繰り表を読む入口です。記入例の算術が合うことと、自社の予定が正しいことを分けて見るために、見本を利用できます。

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