結論
パートの残業代は、所定の時間を超えた分と、法定時間外の割増を分けて考えます。 所定6時間の人が7時間働いたとき、追加1時間の賃金がなくなるわけではありません。一方、その1時間に法律上の25%以上の割増が付くかは、1日だけでなく週の時間も関係します。
ここでは通常の1日8時間・週40時間制を前提にします。「1日8時間以内なら割増は一切ない」という理解にはなりません。
残業代計算法定時間外の時間数から残業代を概算する登録なしで使えます開く
3つの勤務パターンで当日分を比べる
n=3の架空パターンで、当日とそれ以前の同じ週の実働を分けました。 当日の所定は6時間、比較用の時給は1,100円、法定時間外の割増率は25%と仮定します。休憩を除いた実働時間で、深夜・法定休日労働はなく、月60時間超には当たりません。
| パターン | それ以前の同週実働 | 当日の実働 | 週の累計 | 当日中の法定時間外 |
|---|---|---|---|---|
| A | 4日×6時間=24時間 | 7時間 | 31時間 | 0時間 |
| B | 4日×6時間=24時間 | 9時間 | 33時間 | 1時間 |
| C | 5日×7時間=35時間 | 6時間 | 41時間 | 1時間 |
Aの追加1時間は、この設定では所定を超えるが法定時間内です。Bは1日8時間を超えた1時間、Cは週40時間を超えた1時間が法定時間外になります。Cでは当日が所定6時間以内でも、週の合計による割増が生じます。
2026-10-01に分類済みの時間を残業代ツールへ代入し、通常の時間給分を別に足しました。ツールが勤怠表から時間を自動分類した測定ではありません。 分数を使った別計算でも照合しています。
| パターン | 通常の時間給分 | 25%増の時間外分 | 当日全体の賃金 |
|---|---|---|---|
| A | 1,100×7=7,700円 | 0円 | 7,700円 |
| B | 1,100×8=8,800円 | 1,100×1.25×1=1,375円 | 10,175円 |
| C | 1,100×5=5,500円 | 1,100×1.25×1=1,375円 | 6,875円 |
1,375円は基礎の1,100円を含む額で、上乗せだけなら275円です。表は当日分であり、その週全体や月の給与の総額ではありません。法定内の所定外にも会社独自の割増が付く規定がある場合は、この仮定と結果が異なります。
一次資料は日と週の両方を条件にしている
所定を超えた時間の賃金と、割増分を切り離す説明が厚生労働省の資料にあります。
「所定労働時間より多く働いた分の時間給」
— 厚生労働省のパートタイム・有期雇用労働関係資料「4.最低賃金・割増賃金の規定を守ってください」、本文54頁 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001567594.pdf(2026-10-01 到達)
資料は、1日8時間以内かつ週40時間以内の法定内の所定外労働にも、その時間分の賃金が必要と説明しています。割増がないことと、賃金がないことは違います。
「1日の労働時間が8時間以内であっても」
— 群馬労働局「時間外及び休日の労働、時間外・休日及び深夜の割増賃金について」注記 https://jsite.mhlw.go.jp/gunma-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/jyouken03_3.html(2026-10-01 到達)
続く条件は、週の労働時間が40時間を超える場合です。Cはこの違いを表すための設定です。
「雇用形態に関わらず適用されます。」
— 厚生労働省「今日から使える労働法」入門編FAQ4 https://laborlaw.mhlw.go.jp/lesson/beginner/faq_primer04.html(2026-10-01 到達)
同FAQは正社員・アルバイト・契約社員を挙げ、雇用形態だけで割増賃金の対象外になるわけではないと説明しています。所定時間超から支給する就業規則がある場合の取扱いも別に示しています。
時間と金額で混ぜやすいもの
所定・法定、通常賃金・割増分は、それぞれ別の区分です。
| 取り違え | この比較での読み方 |
|---|---|
| 所定6時間を超えたら全て25%増 | 1日と1週の法定時間も見る |
| 8時間以内なら割増はない | 週40時間超や深夜・休日を別に確認する |
| 割増がないから追加の時間は無給 | 法定内の所定外にも時間給分がある |
| 1,375円にさらに通常時給を加える | 1,375円には1,100円が既に含まれる |
測っていないこと・ここから先は推論
実際の契約、勤務記録、週の起算日、適用する最低賃金は確認していません。 1,100円は比較用の仮定で、特定地域で現在採用できる時給を示していません。変形労働時間制、週44時間の特例、フレックスタイム、副業・兼業、深夜・休日、月60時間超、会社独自の割増や手当も対象外です。
各日の休憩の与え方や勤務指示の適法性、給与からの控除後の手取りを判定した結果ではありません。
次の1手
法定時間外として数える時間が確定した後に、残業代ツールで金額を概算できます。所定6時間からの超過時間を、そのまま全て時間外の欄へ入れる計算とは区別できます。