この計算は 2026 年 8 月時点の民事執行法152条・同法施行令2条(差押えが禁止される継続的給付に係る債権等の額。2005年4月1日施行分から金額の変更なし) にもとづきます。
手取り額が分からないときは手取りの概算計算で額面から出せます。
計算方法
差し押さえてはいけない金額(禁止額)は、「手取り額 × 保護される割合」と「政令で決められた上限額」を比べて、小さいほうを採用します。手取り額の低い人ほど割合(4分の3)がそのまま効き、手取り額の高い人は上限額(毎月払いなら33万円)で頭打ちになります。差し押さえられる可能性がある金額の上限は、手取り額から禁止額を引いた残りです。
保護される割合は、通常の借金などの債権(一般債権)なら4分の3、養育費や婚姻費用など扶養義務に関する債権なら2分の1です(扶養義務のほうが多く差し押さえられます)。
上限額は、民事執行法施行令2条1項が支払期の区分ごとに6つ定めています(下表)。手取り額は1回の支払いあたりの金額を入れてください(毎日払いならその日の手取り、週払いなら1週間分)。退職手当だけは上限額が無く、割合(4分の3、または扶養義務なら2分の1)の金額がそのまま禁止額になります。
| 毎月払い(1号) | 33万円 |
|---|---|
| 毎半月払い(2号) | 16万5千円 |
| 毎旬払い=10日ごと(3号) | 11万円 |
| 月の整数倍ごと(4号) | 33万円 × その倍数(2か月ごとなら66万円) |
| 毎日払い(5号) | 1万1千円 |
| その他の期間ごと(6号) | 1万1千円 × その期間の日数(週払いなら7万7千円) |
| 賞与(2項) | 支払区分によらず33万円 |
| 退職手当 | 上限なし |
対象・適用
この計算は民事執行法にもとづく通常の債権執行(裁判所からの差押命令)を対象にしています。給料・賃金・俸給・退職年金・賞与・退職手当が対象です。入れる金額は手取り額(所得税・住民税・社会保険料など法定控除後の金額)で、額面(総支給額)ではありません。額面しか分からない場合は、手取りの概算計算で先に手取り額を出してからお使いください。
複数の差押命令が同時に届いた場合の按分計算や、差押可能額のうち実際に取り立てられる金額(請求額との比較)は、この道具の対象外です。実際の請求額(残債務額)と、この道具が出す「差し押さえられる金額の上限」の小さいほうが、実際に差し押さえられる金額になります。
注意
🔴 税金の滞納処分(国税徴収法・地方税法にもとづく差押え)には、この計算式は使えません。税金の滞納処分による差押えは、国税徴収法76条にもとづき、給与所得者の生活費・扶養親族の人数などを考慮した別の計算式(この道具より上限額が高くなることが多い)で禁止額を出します。市区町村や税務署からの通知には、通知書に計算根拠が示されているのが通常です。
この道具はあくまで概算です。実際の手取り額の算定(控除の範囲)や、複数債権が競合する場合の按分は、弁護士・司法書士・裁判所へご確認ください。
根拠
民事執行法(昭和54年法律第4号)第152条、および同法施行令(昭和55年政令第230号)第2条にもとづきます。政令の金額は2005年4月1日施行分から変更されていません(e-Gov法令検索で条文を直接確認)。